登録者数243万人(2025年3月1日現在)を誇る
人気YouTuber、ジョーブログ氏が今年1月から
投稿した動画で驚きの企画にチャレンジした。
…なんとインド亜大陸の縦断。
それもインド北部のジャイシャメールから
南部のシャイアオアまで小さなトゥクトゥクで
2千数百キロにわたり走破する過酷な内容。
全編視聴して個人的に印象的だったのは
インド人の「底抜けの明るさ」「人懐こさ」「優しさ」「パワー」「魅力」。
ムンバイではあるインド人が、
ジョー達にトゥクトゥクの駐車料や荷物の見張り代と称して法外なお金をせびる商魂(?)のたくましさを見せる。
その一方で別のインド人は初対面のジョーと意気投合。酒をふるまいノリノリで宴をして「みんな友達だ」とホテル代まで奢ったり、
また別のインド人はその場のノリで
ジョー達を親族友人500人が集まる結婚式に招いたり、
「むかし仕事で日本人に助けられた」というあるインド人は日本人に恩返しがしたい、と見ず知らずのジョー達を無償で自宅に泊めたり…
もちろんジョーのキャラクターが
そういう人々を呼び込んでる要素は多いにしても、インドってこんなに優しくて人情味に富んだ人間や面白い人間が多いのかと知ることができました。
「食」の面でも、
ジョー達が北インドから南に移動すると
摂る食事が変化していく。
東西南北の地域差に、イスラーム教にヒンドゥー教、シク教徒といった宗教を背景にしたインド料理の多様さが感じられて興味深かった。
動画を観て久々に本格的な南インド料理を食べたくなり新丸子の「ケララキッチン」へ(笑)

店名の通り店主のアブドルカーダーさんが
ケララ州出身の本格南インド料理店で食べログ百名店にも選ばれる人気店。
…ちなみにジョー達の旅のゴール地点・シャイアオアよりも、ケララ州は更に南側にありほぼインド最南端に近い場所です。
「ケララキッチン」で注文したもの
■タラシェリ ダム ビリヤニ …¥1500
■サンバール …¥400

タラシェリ ダム ビリヤニ

ご存じインドやパキスタンなどインド亜大陸に分布する“スパイス炊き込みご飯”「ビリヤニ」。
「ケララキッチン」では、
ケララ州タラシェリ地方の貴重なビリヤニ
「タラシェリ ダム ビリヤニ」が食べられます!
歴史的にみると最初は北インドでムガル帝国の宮廷料理として発達したビリヤニ。
…しかし交易都市としてヨーロッパやアラブなど諸外国と数世紀に渡り盛んに貿易をしたタラシェリ地方では独自の文化が形成。
そして北インドとタラシェリの食文化が融合した結果生まれたのが「タラシェリ ダム ビリヤニ」とされる。

明らかな違いとして、北インドのビリヤニのように長粒米のバスマティライスは使わず、
「タラシェリ ダム ビリヤニ」は粒が短い米・ジラカシャラを使う。

素焼きの壺に入っており底からよくかき混ぜてから食べる。
北インドのビリヤニと違いパキッとした強いスパイス感がなく、香りづけ程度にあっさりとした味わい。薄味ゆえにフライドオニオンやパクチーの香りがよく引き立ちますね。
実に品のよい優しく滋味深い味です。
米もバスマティライスのようなパサみが少なく、我々がふだん食べてるジャポニカに近い水分量のように感じられます。

壺の中にはチキンが入っています。
ぱっと見タンドリーチキンのような色ですが、こちらも左程辛くなくあっさり寄りのスパイス感。
スプーンで骨から身が簡単に外れるほど
ホロホロと柔らかい食感ですね。
途中でほんのり塩気のあるパッパド(豆せんべい)や、ピクルス、ライタ(ヨーグルト、不覚にも写真撮り忘れた)を壺に入れて混ぜて味変。
サンバール

南インドで広く食されるスパイスを使ったスープ「サンバール」。
ビリヤニと打って変わりコチラは黒胡椒が
ホールのまま入っており気をつけないと
ムセそうな酸っぱ辛さがあります。
メニュー表にビリヤニと相性がよいと書いてありましたが、まさにその通り!

大根や人参たっぷり♪
食べられないスパイスの茎も入っており、
間違って食べると「はじかみ」の赤い部分を食べた時のような食感でした(笑)
あとがき
以上、「ケララキッチン」で日本国内でも珍しい「タラシェリ ダム ビリヤニ」を堪能してきました。
思えば八重洲の「エリックサウス」などが南インド料理を日本人に広めたのがつい十数年前ほど。
ナン食をする北インドと南インド料理の違いがようやく日本人に認知され始めてまだ歴史は浅いのだ。
にも関わらず、こうやって南インドの中でも貴重な料理が簡単に食べれるとは
…ほんと良い時代になりましたよね。
北インドと異なる、南インドらしい優しい風味が魅力のビリヤニをぜひお試しいただきたい。
お店の場所(Googleマップ)
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