
現代においても蕎麦の定番メニューである「天ざる」。実はその発祥地が日本橋室町の「室町砂場」。
江戸3大蕎麦といえば「藪」、「更科」「砂場」。
このうち大坂城の築城の際の資材置き場“砂場”に由来する、「砂場」の系譜に連なるのがこの店であり創業は明治2年(1869年)。
同店で戦後の間もない頃にこの店で天ざるは発明されたと言われる。
室町砂場は、天ざる・天もり発祥の店。
室町砂場について(室町砂場公式HPより)https://www.muromachi-sunaba.co.jp/#:~:text=%E5%AE%A4%E7%94%BA%E7%A0%82%E5%A0%B4%E3%81%AF%E3%80%81%E5%A4%A9%E3%81%96%E3%82%8B,%E6%80%9D%E3%81%84%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
戦後、三代目兄弟の時に、天ぷらそばを夏でも美味しく食べ易く提供できるようにとの思いから生まれました。

著者は日本橋本店は訪問済ですが赤坂店は初めて。老舗らしい年季の入った、しかしながら手入れの行き届いた木造の店内は風格すら感じさせる。
「室町砂場 赤坂店」で注文したもの
・玉子焼き ¥770
・天ざる(さらしな粉)¥2090
・ビール大ビン ¥1045


付きだしは「あさりのしぐれ煮」。出汁に裏打ちされたあっさりとした味わいで、あさり本来のうま味が前面に出てくる。
玉子焼き

“枕型”の整った見た目も綺麗な玉子焼き。

いわゆる「甘い系の玉子焼き」ですが、過度に甘すぎず塩味(えんみ)・出汁とのバランスがよい。
半熟ではなくしっかり火が通っているが、ふっくらとした食感と出汁を閉じ込めたジューシーさがたまらない。
天ざる(さらしな粉)

さらしなの白い蕎麦と黒めのツユのコントラスト。



端正で整ったルックスの細切りの蕎麦。切りムラもなく実に“綺麗”だ。
蕎麦肌はツルリと滑らかで、繊細にして品のある味わいが特徴的。


ツユの中にかき揚げが浮かぶ。カエシの醤油の香ばしさと鰹由来の甘味が主張するやや濃いめのツユ。
しかしながら、かき揚げから染み出た油がツユと混ざる事でマイルドな風味に昇華させている。三つ葉の青みのある味がアクセントに。

しっかりとツユを吸った衣はユルッとした食感。
中には芝海老や青柳の貝柱が入っており、青柳のコリコリとした食感と甘味が引き立つ。

年季の入った漆塗りの蕎麦湯の入れ物。一体何十年使われているんだろうか?
蕎麦湯はサラリとしておりかなり濃度低めです。
あとがき
以上、「室町砂場 赤坂店」でした!
場所柄、価格帯はやや高めではありますが、老舗らしい雰囲気のある蕎麦の佇まいと安定感のある味、店の雰囲気。
…何より天ざる・天もり発祥という蕎麦を語る上で外せない付加価値がモリモリな店です。
ぜひお試しを。